ジェネリック薬品と新薬の比較でわかる有効性と経済性
ジェネリック薬品とは後発薬と認識されているようですが、それは誤った理解です。新薬の特許が切れて、まったく同じものが作れるようになり、その製造工程もすべて国の認可が取れたものがジェネリック薬品です。つまり、後発薬ではなく、完全に同一の薬です。このため、成分だけでなく、現座ジ料や製造工程も完全に同一になっています。新薬の開発には100億円単位の投資が必要になるため、よほど大手の製薬会社でないとたとえ開発に成功しても国の許認可を取るまでに至らないのですが、ジェネリックの場合、特許で公開されている成分を国の規定に沿って製造するだけですむので、比較的少ない投資で作ることができます。このため、ジェネリックの価格はオリジナルと比較して格段に安くなっており、この安さがかえって、大丈夫か、という不安を生む結果になっていますが、オリジナルと比較して完全同一でない限り、ジェネリックとして政府が認めない仕組みとなっているため、新薬もジェネリックもまったく同じと考えてよいものです。
比較して不安視される製薬会社のネームバリュー
新薬の開発ができる製薬会社が世界でも数が限られるため、比較的名前が知られたメーカーばかりとなっていますが、ジェネリックはその国々に特化した比較的小さな会社が多いため、ネームバリューがなく、不安視されがちです。しかし、これは投資体力の違いから生じている結果であって、薬自体はどの面で比較してもまったく違いはありません。最近ではジェネリックのメーカーが新薬メーカーと比較してネームバリューが無いことで不安がられている点に気づき、知名度をあげることを目的としてテレビCMなどで名前を売り始めました。
ジェネリックとの比較より、危険なのはネットでの購買
ジェネリックは国が完全に管理している薬であるため、その安全性は担保されていますが、ネットでの購入は比較にならないほどの危険をはらんでいます。この理由はニセモノの存在です。有名な話ではバイアグラがあります。バイアグラは一錠1,500円であるだけでなく、医師の処方箋が無いと買えない薬であるため、他の薬と比較して手に入れにくい欠点がありました。この欠点を利用したのがネットでの偽物です。中にはオリジナルを超える効能を持ったまで登場したせいで、危険と知りつつもネットで購入する人が後を絶たず、多くの死者まで出す惨状を招きました。しかし、バイアグラのジェネリックであるカベルタがオリジナルと比較して1/10以下の一錠110円で販売されたことによって、ニセモノによる被害者がようやく出なくなったところです。薬の比較では、ジェネリックとオリジナルの比較より、ニセモノの危険性との比較の方が重要であることを認識しましょう。
<参考>日本看護協会
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